あかるい肝炎生活

飲み薬でC型肝炎が治療できる日を待つおぢさんの日記

*

テラビック(テラプレビル)が認可されたので、治療の前に治療成績におけるIL28Bとコア70の関係について考えてみる

      2013/07/19


patience / numberstumper

さて、ちょっとまとまったので、人側の遺伝子検査のIL28Bとウィルス側の遺伝子検査の結果のコア70番の関係について、今回はちょっとだけ書いてみます。(まだ、耐性の話はでてきませんよ~)

素人が調べているので、間違いがあるかもしれません。
データが限定的で、判断しているところがあるので、必ず、治療の際は肝臓の専門医に相談してください。

前回、前々回とテラビックの治療成績や、副作用について確認してきました。
今回は、まず、治験のデータからどんな人が治ったのかを見ていきましょう。

まずは、同じみのおさらいで、治療成績です。

テラプレビルによる3剤治療の試験成績(1b高ウイルス量)


出典: 「ウイルス肝炎治療の現状と治療薬開発の方向性」 関西労災病院病院長 林 紀夫先生の資料より

なんども紹介していますが、いままでのペグ+リバ48週が約50%の成績(1b高ウイルス量)に対して、初回73%、前回再燃例88.1%、前回無効例34.4%となっています。

初回、再燃例とも大幅に上がり、また、前回無効例(2log以上ウイルスが減らない)方でも3割強の方が治っています。
この成績はわたしも凄いと思います。

疑問なんですが、
なんで前回再燃例の人が、初回治療よりも治療成績がいいのはなんでなんでしょうね。
これは、あくまでも私見ですが

  • 再燃例の人って、一度インターフェロン治療を受けていて、それなりにきつい治療になれている
  • 今回は治験でデータを集めないといけないので、最後まで治療できそうな方をつぶをそろえてそろえた。
  • 初回例は、もしかすると、治療をしていたら、前回無効例になった人も含んでいる。

なんてのが考えられるんじゃないかと思って言います。あくまでも治験データの詳細を眺めたわけではないので、私見です。
このデータをうのみにして、せっかく治る人が治療を受けるのを躊躇するのがもったいないと思います。

じゃ、この中をちょっと見ていきましょう。どんな人が治ったのでしょうか?
ここでキーとなるものが、ウィルス側の遺伝子検査と人側の遺伝子検査の結果です。

まあ、ここを見ている方は、過去の投稿をみていると思いますので、さっくりいきます。
2つの因子を見ています。この他にも分析する因子は沢山ありますが、以下の2つの関連性が非常に高くなります。

  • 人側の遺伝子検査の結果IL28B(人側のインターフェロンの感受性を見るために使われます)
  • ウイルス側のアミノ酸の変異 コア70番(治療成績に関係あるのは、特に70番目の遺伝子が変異しているかどうか)

telaprevir+PEG-IFN/RBV24週併用治療のcore70番のアミノ酸変異及びIL28B genotypeからみたSVR率

出典:2011.7.15 全国肝炎拠点病院会議 虎の門病院 熊田博光先生の資料より
(虎の門病院の治療成績)

ここで、C型肝炎のインターフェロン治療において、大きな治療成績の因子になっていた人側の遺伝子検査の結果であるIL28BがTTと、治り易いタイプであれば、90%以上の確率で治っているという結果です。

まあ、この人達は以前から治療成績がよかったのですが、このテラビック(テラプレビル)を用いた3剤併用治療では、ものすごく治療成績が良い。新しいプロテーゼ阻害剤だけの力ではやはり、力不足でインターフェロンの力を借りなくてな治らないということです。

さて、IL28Bが治りにくいタイプのTGとTGの場合はどうかとみると。C型肝炎のウィスルのコア70番が変異しているのと変異していないので大幅に治療成績が変ります。コア70番が変異していなければ64%といままで以上の治療成績。

いっぽう、コア70番が変異しているとわずか治癒率は21%となります。

(治験の結果で、母数のnが少ないのでもっと大きな母数になったら変るかもしれませんが、傾向は変らないということなのでしょう)


 

上記は虎の門病院の結果です。再燃例の方は、全国の治験の結果でも90%と高い治療成績なので、問題となる前回無効例の方のデータを見ていきましょう。この資料は今回のフェーズ3の治験(3施設、東京、広島、札幌)の結果になります。

前治療無効例のTG/GGにおけるCore70置換と3剤併用治療の臨床効果(3施設成績)N=21

出典:2011.7.15 全国肝炎拠点病院会議 虎の門病院 熊田博光先生の資料より

傾向はかわららず、IL28BがTG/GGでコア70番変異していないと62.5%、変異しているとわずか15.4%の治癒成績となります。
前回無効例で、今回治療を考えている方はは、ウィルス側の遺伝子結果はできればというより、必ずやってから治療を考えた方がいいと思います。6割と1割強の治療成績では、治療を受ける際の心構えが違ってきます。

(このデータもN=21と少ないので、今回のテラビック(テラプレビル)の治療が始まって、全症例の治療成績が追いかけられ、公開されるとかわるかもしれません)

それでは、この前回無効例の方の治療成績を上げるためには、どうしあたらいいのでしょうか?
これは、全国の治療結果ではなく、たぶん虎の門病院の治療結果だと思います。
(間違っていたらごめんさない)

前治療無効例のTG/GGに対するPEG-IFN/RBV/telaprevir併用療法延長投与のSVR率 
出典:2011.7.15 全国肝炎拠点病院会議 虎の門病院 熊田博光先生の資料より

基本今度のテラビック(テラプレビル)は、24週、6か月の治療ですが、これをいままでのようにPR48、48週間、1年に延長した場合は、治療成績が大幅に上がるようです。この中身のIL28Bとコア70番の変異がどうなっているか公開されている資料がありませんので、わかりません。(48週はいやだなあ。と感覚的に思います)

ペグ+リバの時も、初めは治療期間が一律48週でしたが、治療の際のウイルスの減少の度合いによって、48週が72週の1年半になりましたから、治療結果のデータが集まってくると、一律24週間の治療ではなく、一部条件によっては48週間の治療が標準になるかもしれません。(私は48週の時につぼってしまいましたので、治療を待てる方は、ある程度治療成績が集まってからのほうがいいと思います)

まとめ
やはり新薬のプロテアーゼ阻害剤を用いた3剤併用治療といえども、人側、ウイルス側の遺伝子検査は受けてから治療を考えた方がわたしはいいと思いまたです。


あっ、
ちょっと紹介していませんでしたが、IL28Bの治り易い方と、治り難い方の割合を見て最後にしましょう。

IL28Bの頻度



出典:札幌厚生病院のインターフェロン治療の手引きより

これは67%ですが、一般的に治りやすいタイプのTTの方は全体の約7割といわれています。だいたいの人は治りやすいんですよね。残りの約3割がインターフェロンに対する感受性が悪い人(わたしはTGなのでこちらの治りにくい方になります)


ひとまず。これ以上は無理っぽいということで、ここまで。
(次回はがんばって耐性の話にたどり着けるかな)

 

ちょっとC型肝炎の訴訟関連のニュースを

カルテがないC型肝炎訴訟原告団・北九州 「一刻も早い救済を」患者ら訴え / 西日本新聞
長引きそうな・・・

43年前って、私の場合は46年前の輸血ぐらいしか、思い浮かばん。カルテなんか、絶対ないし、その時の執刀医もすでにね。


 

広島の某つかれちゃったおばさんから指摘されているように、最近そばが主食で、あげもんがつく。
体重気をつけねば。(苦笑 でもうまいんだもん。

前ご飯蕎麦る
前ご飯蕎麦る Photo by cxq02002

寒くなって、空気が澄んでいて、夕焼けがきれいになってきた。
川のそばはすごく寒いんですけどね。

#sunset #riverside #bridge
#sunset #riverside #bridge Photo by cxq02002

さっ、まだ月曜日。
ぼちぼちがんばりませう。

 - C型肝炎

Comment

  1. sin より:

     テラプレビル、販売会社は納入先を制限するそうです。納入先医療機関リストを作成中だそうです。もうできているかもしれません。
     厚労省の肝炎治療戦略会議の2回目の開催案内がまだ告知されません。先に決められたC型肝炎治療ガイドラインの見直しも風の噂に聞こえてきます。
     この調子では「今年の秋にも保険適用・・・・」は、おくれるようですね。

  2. ばんばん より:

    sinさん
    いつもありがとうございます。
    多分、全症例調査という承認条項のせいでしょうね。きちんとデータを提供してくれるところにしか下ろせないと。
    調査項目や、皮膚科の関連もあるのかもしれません。
    また、基本、各県1つの拠点病院+ちょっとぐらいしかダメなのかもしれません。
    そうですか、承認前にガイドラインがでちゃいましたからね。
    Hbの項目も入ってませんし、さじ加減なんていったら、経験のないお医者さんは治療できなくなってしまいます。
    むーん、むずかしいなぁ。

  3. sin より:

     これも風の噂ですが、納入先医療機関リスト作成上の基準は、皮膚科併設で常勤の皮膚科医師がいることも条件になるということになるとも、このあたりのことの調整もあって、遅れているのかなあ・・・・

  4. ケンケン より:

    お疲れ様です。
    大変参考になりました。
    15%・・・初回INF単剤の5倍  二十年前よりは マシ? 。
    私の主治医も 皮膚科医師常勤が条件なら3剤できるとこ限定されるんじゃないかといってました。= 地方では出来るところ無いんじゃないかとも? 
    そこで揉めてるということでした。
    待てませ~んとお願いしところ、出来るようになったら教えてくれる と言う事でした   が、何時になることやら・・・・・

  5. naema より:

    ばんばんさん、お久しぶりです。
    ブログにもアップしましたが、お陰さまで著効となりました。
    こちらで同じ病気と闘う方や、経験された方などと知り合い、語り合えた事が私の励みになりました。
    いつもお忙しいなか、このサイトの更新?やアンテナ管理?などありがとうございます。
    これからも私のような人がここにたどり着いてくれればと思います。
    私に何かできる事がありましたら、協力していきたいと思っています。
    これからもよろしくです(^v^)/

  6. ばんばん より:

    ケンケンさん
    むん、テラビックはできる病院が限られそうですね。多分、1県に1病院は大丈夫だと思いますが。
    なにやら、遅れそうな情報もあるしね。
    naemaさん
    おめでとうございます。だいじょうぶ。ここまで来れば、ちょっとおやすみして、遊びましょう。それがいいですよ。

  7. Kawanishi より:

    すご、ここまで考えられるなら、あとは国家試験さえ受かれば医者です。って、あ、それはだれでもそうか。
    内容あっていますよ-。

  8. ばんばん より:

    kawanishi先生
    ラッキー(大笑
    もそっと突っ込んで耐性の話と今後の治療方針の決め方の話を書かなきゃなあ

  9. ゆう より:

    カルテがない・・・カルテがあって、問題の血液製剤を使ってないとわかってるのより良いのかも・・・(笑)(別の血液製剤は使ってるんだけど・・・)
    もっとも出血量により、輸血だけ、輸血+血液製剤なんてなるから、カルテがないとわからない。

  10. ばんばん より:

    ゆうさん
    おひさしぶりです。
    わけのわからないものを追っかけるのはつかれます。
    私が輸血したときは、まだ売血のなごりがありましたし、なんだかわからないですね。

  11. みずち より:

    通りすがりのものです。
    テラビックの使用条件ですが、
    肝臓専門医1名(常勤?)、皮膚科の専門医(2名?)が勤務している施設という様な事をMRが言っていました。
    但し、皮膚科専門医に関しては要件を満たす施設に依頼し、協力施設として登録する事で対応可との事です。
    皮膚科を標榜していない当院においても、医師より相談があった時期に、逆に基準を満たす管内の基幹病院より、皮膚科が協力するので、対応出来る体制作りをお願いしたいという旨の申し出がありました。
    結局、2剤併用治療を行っている患者がその病院に集中する可能性が高いので、対応が出来ない事を危惧して申し出てきたのだと思います。
    近くに皮膚科専門医がいる総合病院等があるのであれば(協力して戴ける事が前提)、肝臓の専門医だけいる中小病院でも取扱いは可能だと思います。

  12. ばんばん より:

    みずちさん
    情報ありがとうございます。なにやら、病院の選択でちょっと時間がかかりそうな話も聞きます。
    日本皮膚科学会から資料が出たでました。
    Telaprevir 投与時の皮膚障害への対応に関する参考資 http://bit.ly/tl9EAR
    知識がないからかもしれませんが、ちょっと怖い感じがします。

  13. てんま より:

    寒くなってきましたね。
    最近、シジミがクローズアップされてきて、シジミ製品がたくさん出てきました。肝臓にも良いらしいです。

  14. ばんばん より:

    てんまさん
    ふつうの人にはしじみは鉄分とか豊富でいいんですが、C型肝炎の人は鉄分が肝臓にたまると余計、負荷がかかって病気を悪化させるのでなるべくなら取らないほうがいい食品なんですよ。
    あまり鉄分を考えると食べるものがなくなりますがね。

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