あかるい肝炎生活

飲み薬でC型肝炎が治療できる日を待つおぢさんの日記

*

テラビック(テラプレビル)が認可されたので、治療の前にHCV薬剤耐性について考えてみる

      2013/07/19


Uppercat / Takashi(aes256)

まだまだ引っ張るこのシリーズ。
本日は、ちょっとやっかいなHCVの薬剤耐性について考えてみる。

素人が調べているので、間違いがあるかもしれません。必ず、治療の際は肝臓の専門医に相談してください。

毎度おなじみのおさらいで、テラプレビルによる3剤併用治療の1b高ウイルス量の場合の治療成績です。

テラプレビルによる3剤治療の試験成績(1b高ウイルス量)

出典: 「ウイルス肝炎治療の現状と治療薬開発の方向性」 関西労災病院病院長 林 紀夫先生の資料より

何度も紹介していますが、いままでのペグ+リバ48週が約50%の成績(1b高ウイルス量)に対して、

初回73%、前回再燃例88.1%、前回無効例34.4%

となっています。 (毎回同じだけどこれ大事)

治験ということで、条件をそろえたりデータを最後までデータを取らなければいけないので、患者さんのつぶを選択した状態なので、実際の治療成績はこれを超えることはなく、これが最大Maxであると思っていればいいと思います。

再燃組はもやは9割の治療成績に近づいているので、条件そろえば治療をということなのでしょうか。
やはり問題は前回無効例の方をどうやって治療していくかということになります。

たぶん、武蔵野赤十字の泉先生あたりが沢山の患者さんのデータからデータマイニング解析を行っていそうなのですが、C型肝炎患者における無効例の割合ってどんなもんでしょうか?いままでデータを見たことがないのでこの割がわかりません。
いまの治療は、IFNを使うのでIL28Bの影響を受けますから、この比率からすると3割がIFNが効きにくいタイプでです。

わたしの周りにいるお仲間さんはわりとと難治例の方が沢山いるのでいい加減な感覚になりますが、ざっくり5%以下ぐらいの感覚でいます(私見なので鵜呑みにしないでくださいね)。100人治療すると5人は、HCVの治療による減少が2log以下(1/100以下にならない)人という感じがします。
(↑だれかデータをもっていたら教えてください)

さてちょっと先に進む前に薬剤耐性について

薬剤耐性(やくざいたいせい、あるいは単に耐性、drug resistance)とは、生物が、自分に対して何らかの作用を持った薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなる現象のこと。薬剤抵抗性、薬物耐性とも呼ばれる。
出典:Wikipediaより

表現が悪いですが、よく農薬を使いすぎると、その農薬に耐性をもった害虫ができてて、農薬が効かなくなるっちゅうやつですね。いまの薬自体は効き目を鋭く作ってあるため、相手のウイルスの形が変ると効かなくなります。ウイルスも生き残るために必死なんですよね。(←早くくたばってくれればいいのに)

以前もこの耐性の話を書いていますね。 

C型肝炎治療の”あかるい”肝炎生活: プロテアーゼ阻害剤の話をしよう、その2

これ大事



代表的なものは、ガンとか病院で問題になるブドウ球菌のやつとかが有名です。肝炎でいうとB型肝炎も薬剤耐性が問題になります。

どうやって、ウイルスが耐性をもつようになるかというとむずかしいので割愛します(。_゜☆\ 蛋白質とか遺伝子の話はおぢさん難しくてわかりませぬ

さて、本題にいくと、インターフェロンは直接的にウイルスを攻撃する訳ではないので耐性の恐れはないと云われています。問題は、プロテアーゼ阻害剤のテラビック(テラプレビル)。この薬は、C型肝炎ウイルスが増殖する際に重要な役割をもつ蛋白質の合成を阻害することでウイルス自体を直接的に攻撃するものです。

いままの対処的な治療法ではなく、直接的にウイルスを攻撃しているため非常に効果が高い治療方法になります。しかし、ウイルス側がこのプロテーゼ阻害剤への耐性をもつと、いきなりこの薬が効かなくなります。一説によると2週間で耐性がウイルスができるそうです。怖いですよね。

もっと怖いのは、いちど耐性ができると、同じ種類薬(プロテアーゼ阻害剤)が効かなくなることです。例えば

プロテアーゼ阻害剤によるHCV変異.JPG

出典: 「ウイルス肝炎治療の現状と治療薬開発の方向性」 関西労災病院病院長 林 紀夫先生の資料より

海外の学会で発表された資料ですが、テラビック(テラプレビル)の治療の際に耐性ができる部分があります。この耐性ができると同じ阻害剤であるTMC435とか、MK79005(両方とも第2世代のプロテアーゼ阻害剤)が効かなくなります。

特にR115k/T/Q、A156V/Tという部分に耐性ができてしまうと、軒並み同じ薬が効かなくなるのという問題があります。
では、どのぐらいの確率で発生するのでしょうか?

テラプレビル臨床試験におけるHCV変異.JPG

出典: 「ウイルス肝炎治療の現状と治療薬開発の方向性」 関西労災病院病院長 林 紀夫先生の資料より

この資料でみるのは日本人に多いHCVウイルスのタイプが1bのほうです。危ないA156S/Tの部分に薬剤耐性がおきる確率が13%もあるんですよね。

よく、講演会でテラビックを使ってC型肝炎の治療をするなら、1度で直すつもりで治療を考えた方がいいという先生がおられますが、このような学会の発表から考えておられるのだと思います。

お仲間のすずめさんも講演会で同じような情報をしいれて居るようですね。(^^;; 

20111109.JPG

一部の先生は、耐性ができても、その後に標準治療(PR48等)を行えば大丈夫だという方もいらっしゃいますが、少し疑問が残ります。以前、渋谷で行われた講演会でも単剤を用いて耐性ができた数例にいたしてペグ+リバの治療を行ったら治ったというスライドを見せていただいたことがありましたが、その資料の中で気になったのが人側の遺伝子タイプがすべてTTだったとこでした。じゃ、IFNが効かないタイプの人がいたらどうするんじゃ~。とか考えちゃいますよね。  


話がもっと進んで、一つの薬で耐性ができるのなら、複数の薬で治療しちゃえばいいじゃないってのが、今後出てくる経口2剤を用いた飲み薬だけでC型肝炎が治療できる方法です。この経口2剤でも耐性の問題は避けられません。

しかし、国府台病院の講演会で溝上先生に耐性の問題について質問したところ、1つの薬で1/100の確率で耐性ができるのであれば、もう一つ1/100の薬を併用することで1/1000の確率まで耐性起きる確率は小さくなるそうです。
でも、耐性の危険性からは逃れられないので、やるときには十分考えてからということになります。

そう考えると、今後は複数の経口剤と副作用の少ないIFN-λとの組み合わせが、今後の期待される治療などになりそうですが、まだわありませんね。(←わたしはたぶんこれを待つことになります)

まとめ
やはり、テラビック(テラプレビル)を用いた3剤併用治療を行う際には、人側の遺伝子検査、ウイルス側の遺伝子検査をやってから望んだほうがいいと思います。

地方で遺伝子検査できるところは知りませんが(お持ちの方は情報をお願いします)、東京だと私が知る限りでは4カ所、両方共の検査ができるところがあります。

もっと在るかもしれません。基本、人側の遺伝子の検査は数カ所の外部機関に委託して検査結果を病院が管理することになるそうです。あまり数がないのかしれません。検査の金額はというと、全て保険適用外になりますので、人側の遺伝子検査で3万円ぐらいだそうです。上の4つの医療機関では研究費で検査を行っているそうなのなので、検査費用はゴニョゴニョらいしいです(これ以上は書けないので察してください(笑))。


 

もう限界だす。次回は、最後に私を含め、新薬の開発状況などを考え今後の治療方針を書いてこのシリーズやめにするからね、お母っさん、ででんでんでんでん

ちょっと気になる情報から。
皮膚科学会から”Telaprevir 投与時の皮膚障害への対応に関する参考資料”が公開されました。
(まだリンク残ってるかなぁ)

社団法人日本皮膚科学会 | トップページ

これ重要



専門過ぎて、ちょっと分かりませんが。これも治療する前に読んで置いた方がいいと思います。
何事にも覚悟は必要ということで。

なにやら、熱にがんが弱いのを利用して赤外線を使っう治療法が開発されたとか。

asahi.com(朝日新聞社):赤外線でのがん治療法開発 マウス8割完治、副作用なし – サイエンス

これ期待?できるかなぁ



こういうような副作用がない、体に優しい治療法が早く確率されるといいなあ。

ひとまず。

相変わらず麺が主食。
かけ饂飩大、かき揚げ、かしわ天
かけ饂飩大、かき揚げ、かしわ天 Photo by cxq02002


週末は房総に足を伸ばして、旬の鰺を食べてきました。
たたきが旨すぎて、食べ過ぎてしましました。

黄金定食@磯料理マルゴ
黄金定食@磯料理マルゴ Photo by cxq02002

旬のうちにもいっかい行きたい

水曜日。がんばろうっと

 - C型肝炎

Comment

  1. アナログ より:

    ばんばん隊長…いや、ばんばん先生様こんにちは(^^)
    いつも私達のために、分かり易く解説して下さり
    ありがとうございます!(^^)本当に頭が下がります。
    (私にはまだまだ難しいけど…)笑
    お仲間の皆さまも、凄く参考にされてると思います!(^^)
    と言う事で本題より、食欲…
    房総の「黄金定食」美味しそう…私も行きたいな(^^)
    先日、私が行った埼玉県川島町の「庄司のうどん」は絶対ばんばん先生に食べて貰いたい一品です!
    もし、埼玉方面に用事がございましたら
    ご招待させて下さいね(^^)
    いやいや、用事が無くても食べに来る価値があると思いますよ(*^◯^*)
    それでは、また…

  2. ばんばん より:

    アナログさん
    おじいちゃんですよね(苦笑
    おめでとうございます。
    うどん行きまする、行きまする。
    体が麺でできていますので・・・(^^;;

  3. アナログ より:

    ありがとさんです、ばんばん先生(*^◯^*)
    待ってますね♪
    前日は食事抜きで「特盛」に挑戦しちゃいましょう\(^o^)/

  4. ケンケン より:

    お疲れ様です。
    さすが隊長!良くぞここまで調べて、UPしてくださいました。感謝!感謝!
    ”テラビック” いろいろ考えさせられました。やるにしても 最低コア70の検査はやったほうがいいみたいですね。
    でも、地方で出来るんだろうか?明日先生に聞いてみるべし!

  5. ばんばん より:

    ケンケンさん
    がんばー、最後にもう1回書きまする。

  6. ケンケン より:

    ケンケンより 隊長へ 報告!
    やはり地方の病院では、ウィルス側の(コア70)遺伝子検査は難しいようです。無理無理頼めば何とかなるかも?ですが、主治医の先生が”かなり面倒・・・・うん~・・・”と唸るくらいなんで、いろいろ難しいようです。
    以上

  7. どらみ より:

    ばんばんさん、こんばんは!
    いっぱい!いっぱいご報告、ありがとうございます。
    三剤治療(テラビック)は、一回で勝負しないと危ないんですね。
    薬剤耐性か・・・ウィルスのやつめ、ポケモんみたいに進化しちまうんですね。
    スティーブ・ジョブズ症候群?
    あ~、Macやipodやipad,iphoneと次々とリンゴさんを買ってしまう症候群ですね???
    ばんばんさんも、そうだっけ?北の大地の先生もそうだね・・・うちの旦那もそうです。
    あら?スティーブンス・ジョンソン症候群でしたね。
    名前はにてるけど、こっちは、えらいこっちゃですね。
    ちょっと、かゆくなるだけでも辛いのに・・・
    医者選びも、慎重にしないとあきまへんな~、おとっつあん。べべんべん。

  8. ばんばん より:

    ケンケンさん
    むーん、難しいですよね。思い切って先生に紹介状を書いてもらって、東京へ。そうすればIL28Bも調べられますし、セカンドオピニオンも同時にできますよ。
    どらみさん
    そうそう、それは林檎バカ症候群といって、大変重い病気です。いちどかかると治る見込みはありません(大笑
    北の先生は重度のほうで、私はまだ軽度かなあ\バキ

  9. はるうらら より:

    ばんばんさん、何時も貴重な書き込みを有難うございます。
    今回も繰り返し読んで、又いろいろ考えています。
    著効への88%の期待感よりも耐性への恐怖感の方が大きいです。
    テラ3剤治療への挑戦意欲を5分から3分へ萎えさせています。
    副作用がきつければ途中で止めれば良いや・・とは言えない
    厳しさがありますね。

  10. ばんばん より:

    はるうららさん
    おこんばんわ、必要以上に怖がる必要はないと思います。
    でも、時間がゆるせば違う道もありますよね。
    もう少ししたら、次の薬がでてきます。こちらは、テラビックより協力で、副作用が少ないようです。
    まずは、待ちでいいのではないでしょうか?
    少なくとも、最初の方たちが終わる半年は様子を見たほうがいいと思いまする

  11. 匿名 より:

    ばんばんさん
    今現在に、挑戦「する」「しない」を決めないで、半年という期間をおいて、周辺の状況を把握してから、決めれば良いではないかというばんばんさんの考えに、私もそうしようと思うようになりました。
    先ずは半年待って、その後で、次の身体に優しい薬が出るまで、更に1年2年待つことが可能かどうかの判断も視界に入れて、今後の治療を考えれば良いと。うん、うん、なるほど。
    若い人の柔らかな頭に感謝します。
    ばんばんさん、ありがとう。

  12. はるうらら より:

    ごめんなさい。コメントにネームを入れるのを忘れました。前文ははるうららです。

  13. ばんばん より:

    はるうららさん
    おこんばんわ。はい、あくまでも今の年齢とは、肝臓の状態、はたまた、お仕事があるひとは、その状態などを鑑みて治療をきめたほうがいいと思います。
    半年とはいえ、副作用があるIFNで治療を行います。まわりを整理してからのほうがわたしはいいと思いますよ。

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