あかるい肝炎生活

飲み薬でC型肝炎が治療できる日を待つおぢさんの日記

*

テラビックを用いた3剤併用療法の副作用に対する対策 その2

      2013/07/19


新型 体重計 / HIRAOKA,Yasunobu

ちょっと時間を置きましたが、前回の続きをば。
長めになるのでお時間のあるときにどんぞ。

テラビック(商品名:テラビック、一般名:テラプレビル、以下スライドの関係上、一般名テラプレビルと表記します)を用いた3剤併用療法の副作用には対策が必要という話でしたが、実際の行われた対策はどんなものなのでしょうか?

テラプレビル投与量からみたHCV-RNA陰性化率
※1

テラプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン3者併用療法の副作用に対する対策は以下の通りになります。

  1.皮膚症状への対策
     →ステロイド剤の早期の経口投与
  2.血球減少(貧血)への対策)
     →テラプレビルの開始用量は1500mg/日も考慮
  3.尿酸・クレアチンの上昇例の頻度と対策
     →抗尿酸剤の早期投与
  4.αインターフェロンによる鬱・全身倦怠感
     →βインターフェロンへの早期の切り替え

ちょっと細かく見ていきましょう。

今回の注意喚起につながった皮膚障害への対応は、やはり早め早めのステロイド剤の投与でした。
では症例に対して、どのぐらいの割合でステロイド剤は使われたのでしょうか?

虎の門病院 皮膚症状に対する治療
※1

虎の門病院で行われた治験のフェーズ3の例ですが、何もお薬の処方を受けなかった例が25%しかありません。残り75%はなんらかの皮膚症状が出たということです。
残りは何らかの皮膚症状がでて、お薬を処方されたということになります。塗り薬の軽いものが34%、塗り薬と抗アレルギー薬が20%、追加で経口ステロイド薬を飲んだのが21%となります。感覚的にいうと、やはり皮膚症状は出やすいと思います。
前回、インターフェロン治療で皮膚症状が出た方は要注意といえるのではないかと思います。ステロイド剤はやはり皮膚科の先生との連携が欠かせません。経口ステロイド剤って、重くなる症状の時に使われものなので、十分に治療になれた病院で治療をすることが必要だと思います。

何度も繰り替えしますが、患者さんもこのぐらいと思わず、少しでも痒みや、赤みなどがでた場合は、すぐに治療を行っている主治医に相談しましょう。一部の先生では、次回(たぶん1週間後)まで待たずに、症状によっては、すぐに病院に来て欲しいという先生もいしゃっしゃいます。治療を行っている患者さん、これから治療を行う予定の患者さんは十分に注意をしてください。

次は、お薬の減量についてですが、この10月の肝臓学会でも結果が発表されたようです。慢性C型肝炎治療ガイドラインの中でも以下のように定義されています。

IMG_2842.JPG
※1

初期のヘモグロビンの値から通常の2250mgを1500mgに減量して治療を始めることにより、貧血による治療中止を避けようというものです。女性のほうが貧血が出やすいのでお薬を減量してはじめることになります。
(あくまでも目安で、年齢、体重などを加味して専門医が判断し決定する必要有り)
気になるのは、お薬を減量して始めても、その効果は?だれでも疑問を持ちますよね。

IMG_2727.JPG
※1

グラフを見ていただければ分ると思いますが、なぜかしらお薬を減量して始めた方が、陰性化率が高くなっています。途中中止などの関係もあるのでしょうが、テラプレビルの量が2250mgでも1500mgでも効果が陰性化率は変わらないということになります。
そもそも、リバビリンの時も話題になりましたが、米国の平均体重80kgに合わせてお薬の量が設定されています。日本の平均体重が60kgぐらいですから、そもそもお薬の量が多すぎるような・・・(苦笑

この講演会では、学会の発表後に日本でも1500mgが標準量になるかもしれないというお話もお聞きしました。厚労省からの発表を注意してみたいと思います。

また、虎の門病院のデータだそうですが、リバビリンも約4割以上のめれば、これも陰性化率が変わらないというデータもあるそうです。
一律の決められませんが、やはり性別、体重、年齢、他の血液検査の結果などを加味して、肝臓の専門医がお薬の量をきめ細かくコントロールする必要がある(さじ加減が必要)ということになると思います。

次は、腎臓症状の対応です。ガイドラインには記述されていましたが、初期徹底されていなくて、これも注意喚起の対象になったものです。始め2週間ぐらいは、腎臓症状に注意が必要です。

笑い話になりますが、とある病院では、治療初期に沢山お水を飲んでと云われたそうたとお聞きしました(おぃおぃ、きっと嘘だと思います)。今回のテラビックというお薬は、他のプロテアーゼ阻害剤が肝臓でお薬が分解されますが、テラビックは腎臓で分解されるそうです。この為、肝臓の負担が軽くなる分、腎臓の負担が重くなり、腎臓症状が現われやすくなります。治療初期は、細かく血液検査の結果を判断し、早期に抗尿酸剤の早期投与が鍵になります。
クレアチン値を見て判断しますが、これも前述のお薬の減量により、2250mg投与に比較して、1500mg投与では、クレアチン値の上昇が抑えられるという結果も出ています。

最後は、αインターフェロンのうつ症状の問題になります。自分もそうですが、αインターフェロンは副作用としてうつ症状が重く出る場合があります。これに対しβインターフェロンは、うつ症状が出にくくなるため、軽度のうつ症状が出た段階で、αインターフェロンであるペグイントロンをβインターフェロンのスミフェロンに切り替えるというものです。

うつ症状などの精神症状の出現によりβインターフェロンに切り替えとなった症例

虎の門病院の症例では、9週から12週の間に切り換えが行われています。うつ症状がひどくなり、治療を中止するよりは、最後まで完遂させることを目指した治療選択になります。
しかたがないとはいえ、βインターフェロンは、静脈注射で週3回の通院となることから少し面倒になると思います。 
自分は、スミフェロンの単独で少量治療をやっていた頃、うつ症状がでてβインターフェロンに変更したら、ウィルス量が増えちゃったんですよね。なんでかなぁ。1ヵ月で元に戻した経験があります。

ちょっと田辺三菱製薬から注意喚起が発信されたことから2回ほど、テラプレビルの3者へ療法のお薬の減量にる副作用の軽減策について、9月1日に行われた東京肝臓友の会が協賛で入った (財)宮川庚子記念研究財団 第17回肝臓病医療講演会の講演資料からいくつかをピックアップしてみました。

本来は、一律で簡単に治療ができるお薬だといいのですが、いかんせん今回のテラプレビルを用いた3者併用療法では、肝臓専門医のさじ加減が必要になる治療法です。自分が信頼できる病院と肝臓の専門医を見つけて治療されることをお勧めします。

でも、ここまで細やかにお薬の量をコントロールして、治療を行える病院も全国にそれほどないとお聞きします。非常に難しい問題だと思いますね。

紹介ですが、私も東京肝臓友の会の会員です。
たぶん次回の会報 東京肝臓のひろばに上記の講演会の詳細な講演録が掲載されると思います。講演会って、自分もそうですが速度が速くて、よく聞き取れなかったりするので、後から講演録を読んで勉強をし直しています。ご興味の方は、最新号からも取り寄せられます。それで為になると思えば、会員になって、年6回の会報をお読みになってもいいと思います。この講演会の会報は私も期待して待っています。

オフレコですが、東京肝臓友の会の会報ってちょっと専門的で非常にためになります。一部の医療関係者からもあれって凄いよねなんて云われてたりして。分らないことは、そのまま電話で会報のXXに掲載されていた○○ってどんな意味ですかなんて聞くこともできるし。かなり役立つと思います。
(自分もほとんど、会報狙いで入会をした口ですが・・・(^^;; )


 

注)
※1 スライドの出典は、20120901宮川庚子記念研究財団 第17回肝臓病医療講演会 虎の門病院分院 分院長の濃講演スライドより

(学会発表前なのに、惜しげもなくこのような詳細なスライドを公開していただける熊田博光先生。ありがとうございます)

ひとまず。

この講演会については、お仲間さんが詳細なレポートをアップしていだだいています。
ありがとね。(おじさんはサボったけど  (- -;

9/1 熊田先生の講演会に参加しました~♪ (その2 C型肝炎) – HCV(C型肝炎ウイルス)との闘い♪ – Yahoo!ブログ

いつも詳しい。同じ難治例患者(苦笑


肝臓病医療講演会ご報告 テラビック3剤治療とC型肝炎2型を中心に+油絵2作目 – yokobueのブログ – Yahoo!ブログ

難治例の2型ならこの人


熊田先生の講演会 | トマトっとのひとり言

もう治ったのに頭が下がります。

週末の日曜日は、秋晴れの穏やかなだった。
ちょっと長めに自転車に乗って、おしるこを食べに、疲れた体にめっさうまかったなあ。

此処は自家製餡子だから、さっぱり甘味控えめで旨~、めっさ幸せ
此処は自家製餡子だから、さっぱり甘味控えめで旨~、めっさ幸せ Photo by cxq02002

今週もがんばるべー

 - 新薬情報

Comment

  1. miya より:

    ばんばんさん、こんにちは~。
    詳細な解説、ありがとうございます。
    高尿酸になって、尿酸降下薬(尿酸生成抑制薬)を服用しているような場合、注意書きとして「水分を十分にとる」というのがありますので、間違いでもないと思います。
    (私も、他のですが、薬剤トラブルで尿酸降下薬(尿酸生成抑制薬)を短期ですが、飲んだ経験ありますので…。今は戻って基準値内です)

  2. ばんばん より:

    miyaさん
    いつもありがとうございます。いきなりあの注意喚起が発信されたとたん、その病院で患者さんに1.5L以上水を飲めといわれたとか。
    その前からちゃんと患者さんにそのように云われていれば別ですが。病院も完全に把握してなかったんだと思います。
    この辺り、難しいですよね。

  3. yokobue より:

    ばんばんさん、こんばんは。
    お忙しい中、テラ対策のおまとめありがとうございました。
    副作用と闘わず、減薬やステロイドの使用で早めの対処が大事ですね。
    ところで、私もフェロンでウィルス増量しました??何でしょう?
    ウィルス側の要因らしく、謎は熊田先生チームが解明中だと、講演会でちらっとおっしゃていました。IL28B以外のIFN感受性があるんでしょうか???
    では、また♪

  4. akio より:

    ばんばんさん、こんばんは~♪
    テラビックの副作用対策の紹介、ありがとうございます。
    確かに効果は段違いに素晴らしいのですが、
    副作用も段違いに強いので、細心の注意が必要ですね。
    ばんばんさんも、
    「何度も繰り替えしますが、患者さんもこのぐらいと思わず、少しでも痒みや、赤みなどがでた場合は、すぐに治療を行っている主治医に相談しましょう。」と言われてますが、その通りだと思います。
    そう、がまんは絶対にいけませんよね! 
    先生に我儘な患者と思われようが、がまんしてはいけません。
    自分の命に係わるのですから。
    と、私も言いたいです。
    ではまた~♪

  5. ばんばん より:

    akioさん
    いつもありがとうございます。皮膚障害は、掻くと余計負担をかけることになるので注意が必要ですね。
    治療をはじめる時病院で、すぐに電話なりをして相談しろって、最初に説明をうけてるのかなぁ。かなり心配になります。

  6. YUKO より:

    ばんばんさん、こんにちは~♪
    テラの副作用対策をありがとうございます。
    テラで治療中の友人が昨日電話で足や手の表面がピリピリしたりで眠れなかったりしたと言ってました。急に寒くなるとそういうこともあるけど、我慢せずに主治医に相談した方がいいよ、と話したところでした。やはり我慢はいけないですよね。彼女はやっとテラの服用が終わって少し食欲もでてきたようです。でもやはりきついと言ってました。彼女はその病院の一号患者なので、阪大との連携はあるとはいえ、ちょっと心配です。
    私も東京肝臓友の会の会員ですよ。会報ねらいですが・・・・(^^ゞ
    おしるこ、美味しそう~。京都ではおぜんざいになるのかな。
    風邪には気を付けてくださいね~!

  7. 舞夢 より:

    こんにちは
    私の場合は、テラビック 1回3錠、1日3回でした。
    前回(5年前)のINFのデータをもとにレベトールは調整(少なめに)とかありました。
    腎機能の数値も変化しましたけど、特に注意事項は言われなかったように思います。
     (治療中は高くなります ようなこと。。。)
     やはり、先生方が気にしてたのは、湿疹、かゆみでしたね
    何かあるとデジカメで写真を撮ってました。(湿疹等)
     私が治療していた病院は治療前からアレルギー対策の薬を出してくれたので、皆さん皮膚湿疹の副作用は少なかったみたいです。
     知ってる中での中断は、貧血でした。(男性)
    治療終えて2ヶ月・・
    治療開始・中の3ヶ月間が嘘のような生活過ごしてます。

  8. 通りすがりですこんにちわ。 より:

    テラプレは確か肝代謝・腎排泄じゃなかったかしらん・・・
    副作用としての食欲低下、下痢等が強く出ると脱水がすすむので、血中のテラプレ濃度が上昇→腎障害→テラプレの排泄が上手くいかず更に血中濃度上昇→腎障害増悪という悪循環のようです。
    水分摂取・食事摂取は超重要みたいですよ。患者さんが増えるにつれわかったことなので、病院側も慌てて対応したんでしょうね。
    丁寧なまとめ、ためになります。おつかれさまです。

  9. ばんばん より:

    YUKOさん
    腎臓関連では2回も注意喚起がでていますから、なんでもかんでも電話するとあれですが、特に皮膚に近い部分はすぐに連絡をした方がいいようです。
    あんこもの大好きですよん
    舞夢さん
    テラビックは期間が短いのが特徴ですよね。
    お薬にしても、早め早めに手を回してくれる病院はテラビックになれていると思いますよ。
    治療後、食べ物が美味しくなるので注意ですよん(笑
    通りすがりさん
    ありがとうございます。なるほど、悪循環なのですね。
    この辺り、きちんと患者さんに説明されていて、患者さんも十分に意識しているといいのですが・・・
    患者さんも注意文(難しい言い回しが多く)適当にしか読んでいなかったりして心配していました。

  10. クーミ より:

    はじめまして。
    突然のコメントお許しください。
    私は3剤併用療法を受けましたが、1週間でウイルスは「ケンシュツセズ」になりました。副作用の辛さは言葉にできません。幸いにも、血液の検査データーの数値は治療が続けられる状態を維持していましたので、無事にゴールまで来ることができました。
    とにかく治療を始めるにあたり、皮膚疾患ばかり心配していましたが、これは個人差があるようです。主治医の力も関係しています。
    吐き気・おう吐、高熱など…
    起きて居られなかったので、寝たきり状態でした。
    自分でもこの治療は限界だと思い
    主治医に止めたいというと、再入院して治療するのはどう?と言われて、入院しましたが先生たちはチームを作って取り組んでいます。日曜日でも私の様子を見に来てくれたり…
    某新聞社の取材も受けました。
    私の主治医の患者さんはこの治療をして著効になってるようです。
    途中で止めさせたりしませんし、うつ病の方も治療始めるよと話してくれました。
    先生との信頼関係はとても大切だと思います。
    思ってることがうまく書けず
    突然のコメントすみません。
       クーミ

  11. ばんばん より:

    クーミさん
    はじめまして。かなり手厚い対応だったんですね。
    いや、先生との関係ってかなり大事だと思います。
    難治例なんかだと、先生が信じられなくなったりするんですよね。
    インターフェロン治療の場合、かなり負荷がかかるので、先生と二人三脚になります。いままでだと、1年半もお付き合いすることになるので、相性(いい表現ではないですが)も重要だと思います。
    テラビックの場合は、途中でリタイヤしないように、薬の量とかを調整して最後まで走り切るのが重要だとお聞きします。
    クーミさん、いい先生と良い病院に巡りあえてよかったですよね。

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