あかるい肝炎生活

飲み薬でC型肝炎が治療できる日を待つおぢさんの日記

*

新薬 C型肝炎治療薬 ソブリアード(シメプレビル(TMC-435))とは (まとめ編)

      2013/10/10

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早速、ソブリアードが認可されましたね。製造元のヤンセンファーマでニュースリリースが出ました。

ジェノタイプ1型C型慢性肝炎*治療薬 「ソブリアードRカプセル100mg」製造販売承認取得のお知らせ | ヤンセンファーマ株式会社
凄く早い

予想では、11月の肝炎対策会議の後1ヵ月後ぐらいで製造認可だと思っていましたが、9/13薬事審議会が終わって2週間で製造認可が出たことになります。薬事審議会の審査もアメリカのFDAの認可の前、世界初になりますから、異例の早さだったと思います。それだけ薬に対する期待が大きいようです。

今回はまとめ編で最終回になります。
メリットとデメリットを箇条書きにしたいと思います。

ソブリアードのメリット

まずはいい方から

1. 治癒率が約9割(88.6%)と高い(テラビックと変わらない)
2. 副作用が従来のインターフェロン+リバビリンと変わらない(テラビックよりは体に優しい)
3. 1日1回の服用で薬の服用を忘れにくい(テラビックは基本8時間毎に1日3回)
4. 2剤併用療法と比較し著しく増加した有害事象が認めらない
5. 治療期間は6ヶ月間と短い(テラビックと同じ)
6. 普通の病院で治療が可能(予想、※1)
7. 治療後の肝がんの発生抑制に繋がる(2013/10/02 加筆)
8. テラビックのような年齢制限がない(2013/10/10 加筆)

1.少し解説を加えていきます。前回書いたように治験結果と異なり、実際の治療ではテラビックはテラビックの服用する量を2250mg(3錠)->1500mg(2錠)にする、最初からステロイド剤を服用するなどの、肝臓の専門医のさじ加減で、いままでの治療成績は9割を超えているようです。それと変わらないぐらいの治験成績があります。

2.副作用も実際に治験と経験された患者さん(トマトっとさん)の経験値と治験結果より、ほぼ従来の2剤併用療法と変わらないぐらいに収まっています。

3.テラビックは、治験の時から面倒だなと思ってましたが、1日3回、8時間毎に服用するのが基本ですが、ソブリアードの場合は、1日1回で、ほぼ忘れることはないと思います。1日3回で8時間毎に正確に服用するのは難しいと思います(実際には食事の後などで柔軟に対応しているようですが)。

4.また、治療中止になる、有害事象もあまりありません。テラビックの場合は、皮膚炎、腎臓炎などの問題で中止になった例もありました。

6.※1 昨年認可されたテラビックは皮膚炎などの副作用が大きいため、皮膚科と連携した病院でしか治療ができませんでしたが、ソブリアードは特に有害事象がないため、普通の消化器科がある病院であれば治療が可能だと思われます(私見です、正確には情報を待たなければなりませんが、いままでの2剤併用療法を行っていた病院では治療が可能だと思われます)

7.インターフェロンを組み合わせるため、治癒後の肝がん発生の防止につながります。C型肝炎ウイルスがいなくなったから肝がんが発生しないかというとそうではありません。いままでC型肝炎ウイルスが肝臓にいた事による炎症などで、沢山の肝がんの種のようなものが肝臓の中にある状態です。この種はいつ芽をふくかわかりません。インターフェロン治療を組み合わせることで、肝がんの発生を抑制することができます。(2013/10/02 加筆)

8.テラビックの場合は副作用の関係から65歳以下という制限がありました。高齢者には貧血や、そのた副作用の関係から厳しいと判断させたんだと思います。ソブリアードでは、この年齢制限がなくなる見込みです。一説によると70歳をボーダーラインとらいしいですが、患者さんのコンディションや元気度合によっては、70歳以上でもソブリアードを用いた治療が行われるかもしれません。それだけ、ぺグリバと同様の副作用と治験より判断させたと思われます(2013/10/10 加筆)。

ソブリアードのデメリット

つぎに難点をば。

1. 人間のもつ遺伝子によって治癒率に差が出る。
2. インターフェロンと組み合わすために、副作用が大きい(インターフェロンの副作用)
3. 耐性の問題がある(効かない場合は次の薬に制限がかかる可能性がある)
4. 前回治療(2剤併用)無効例の治癒率(36%)が大きくない
5. 4週目まで陰性化しない場合は、治療期間はトータル48週となる(2013/10/03 追記)

1.インターフェロンを組み合わせている限り、インターフェロンの人間の感受性の問題からは逃れることができません。もしも治療前にIL-28Bの検査ができるなら、検査をしてから治療の検討をしてもいいと思います。また一部の病院で実施しているようですが、最初2週間ぐらいインターフェロンのみで始めて、その結果(ウィルス量の減少等)を見て本格的な治療にはいる方法もあります。これは、IL-28Bの検査をしなくても、実際に治療の前段階でインターフェロンの感受性をみることが可能ですので、この方法でもいいかもしれません。

2.高齢者、持病がある方には問題が大きいですね。インターフェロンは体力勝負の治療になりますので、この部分の問題は残ります(一部にはぜんぜんインターフェロンの治療で熱がでないで、毎週ゴルフにいってたよなんて治療例が紹介されていますが、私の周りだとそのような方は皆無でみなさん、かなり苦労してして治療を終えています)。

3.あまり多くはありませんが、ブレークスルーと呼ばれ、耐性ウイルスの発生があります。これはソブリアードに限った話ではありませんが、一度薬剤耐性がでると、次の薬の選択の幅が小さくなります。耐性がでないように治療をするのが一番いいのですが、現状のところ、この薬剤耐性に関して、検査で正確予測するはできません。治療する時には十分に肝臓の専門医と相談をしてください。

4.かなり治療成績が良い薬ですが、やはり、去年認可されたテラビックの進化形のお薬です。このため、前回無効例(2剤併用療法治療時に2log以上ウイルス量が下がらなかった人)には、効果が薄い薬になります。いくつかの講演会で肝臓の専門医に質問をしましたが、前回無効例の方は、この次の飲み薬を複数組み合わせた治療薬を待つ方が良さそうです。

5.一般的に治療効果が高い人の場合は、4週間で陰性化(ウィルス量が1.2log未満、測定限界値以下)になります。難治例の場合は、4週目で陰性化しませんので、治療をする肝臓の専門医の判断で、3剤の期間12週間、残り36週間を2剤(インターフェロン+リバビリン)で治療することになります。治療開始からどのぐらいで陰性化するかわりませんが、通常このような対応になると思います。いまのテラビックの治療ガイドラインと同様ですが、治療期間が6か月で計画していたものが、12か月(1年)になりますので、治療期間に対する患者の負担が増えることになると思います。(2013/10/03 追記)

最後に

4回に分けてソブリアードの紹介をしました。去年認可されたテラビックの進化形のお薬で、それほど深刻な副作用もなく、効果が高いお薬です。これから治療を考えている方には、第一選択のお薬になると思います。

インターフェロンを用いた治療はなぁと云う方も、病気が進行するのリスクを考えて、肝臓の専門医である主治医と相談して、この次の飲み薬だけで治療するお薬を待った方がいいか、ソブリアードで治療を行うかを、ご自分の肝臓の状態などを考慮して十分に相談して、治療に入るか、更に待つのかを決めてください。

治療を待つ方は、肝がん発生のリスクを十分に考えて、現状の肝臓の状態を維持するために肝庇護療法(ウルソ、強力ミノファーゲンC、瀉血、インターフェロン少量長期)など組み合わせて、適切な方法で次の新薬を待つようにお願いします。
<2013/10/01 加筆>>

やっと完了したよ(笑)

ひとまず

久しぶりにパン屋さんへ。
むーん、ここに来ると太るな。

昼パン食べるる(^_^)
Flickr昼パン食べるる(^_^) by cxq02002

ソブリアード(シメプレビル(TMC-435))編記事一覧
0.薬食審・第二部会 C型肝炎治療薬ソブリアードなど新薬2成分審議 承認了承
1.新薬 C型肝炎治療薬 ソブリアード(シメプレビル(TMC-435))とは (従来の治療編)
2.新薬 C型肝炎治療薬 ソブリアード(シメプレビル(TMC-435))とは (特徴編)
3.新薬 C型肝炎治療薬 ソブリアード(シメプレビル(TMC-435))とは (治験結果編)
4.新薬 C型肝炎治療薬 ソブリアード(シメプレビル(TMC-435))とは (まとめ編)

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Comment

  1. さとちゃん より:

    ばんばんさん、ありがとうございますm(__)m
    認可、製造販売承認と、速かったですね
    薬価、助成もこの調子で決定するといいな~
    主治医と、相談し、納得のいく治療をですね。
    新薬連載どうもです(^^)v、パンと一緒に、あんこも。(食パンには、見えないな~(>.<)?!)

    • ばんばん より:

      さとちゃん
      ネットで見たら、11月から使えるような話をしているお医者さんがいたので、すぐに薬価がでると思います。
      助成は・・・、予算の関係もあるので、少し時間が掛かるかもしれません。

      そう、ご自分で状態をきちんと把握して、主治医と相談するのがいいと思います。
      全般的に、新しいお薬がでたときは、お医者さん治療をやりましょうって方向にもっていく傾向にあるので、
      若干注意が必要ですけど・・・

      これは、パンてす(キリッ

  2. めぐ より:

    栗☆クリ★くり☆・・・っとな~♪
    やっぱり秋も☆甘い物がなくっちゃね☆

    おっと☆隊長、失礼しました・・・ペコ(m m)
    元TMC435☆素早く世にデビューとなるのですね☆
    条件にフィットする方は、go☆go☆ですね♪
    次ののみのみも早く出て、みんなが治療できるように
    なるといいなぁ・・・願☆

    • ばんばん より:

      めぐさん
      最新の治療で、副作用も従来の2剤併用療法と同じぐらいなの、これから治療に望む人にはいいと思います。
      インターフェロン込みですが、インターフェロンは肝がんの予防にも繋がりますしね。

      あまり待ち過ぎて肝がん発生なんかだと、本末転倒になる可能性もあり、出来るなら最新の治療を行うのがいいと思います。

  3. YUKO より:

    ばんばん隊長、こんにちは~♪
    シリーズでの解説ありがとうございます。そしてお疲れ様でした甘いもの送りたい~♪

    助成決まらないと治療できませ~ん(>_<)
    まあ、年明けかな。
    私も主治医からインターフェロンが嫌なら経口二剤まで待ってもいい、みたいなことを言われました。でも年のこともあるし、シメちゃん、やってみますわん。

    これ、パン?
    ディニッシュはケーキみたいですねぇ。奥のもパン?
    あ~、もうちょっと痩せねば!です。目に毒だあ!!

    • ばんばん より:

      YUKOさん
      飲み薬の経口2剤は、なんとなく(なんとなく)がはじめは難治例の方限定ではじまるような気がします。一般の方は、ソブリアードで治療してねって感じにないりそうで。普通の方の治療成績が9割近いですから。

      あまり待ちすぎて肝がんとかとても怖いので、できるなら半年のソブリアードの治療はとても良い選択だと思います。
      大丈夫、治療すると痩せるから(笑)

  4. トマトっと より:

    ばんばんさん、こんばんは!
    ソブリアードの詳しいまとめをありがとうございます。
    ばんばんさん、本が出せそうなくらい、わかりやすいです。
    いっそのこと、本当に本に、、、?(-_^)
    最後にコメ返しに書かれたコメント、本文にも入れていただけますか?
    BMS経口二剤を待つ初回の患者さんから何件か問い合わせをいただきます。初回と再燃?が後からに?なりそうなこと、知らない先生方が多すぎます。BMSの申請が出されれば、最初は限定付きで認可申請されることがはっきりとわかりますよね?
    患者にとっては大変不可解ですが、諸事情でしょうがないのでしょうか!何しろ助成が途切れることがないように、願います。
    ばんばんさんも食欲の秋ですね♬
    私は妊娠時と同じMAX体重をしっかり保ちながら恐怖の食欲の秋に突入しました〜

    • ばんばん より:

      トマトっとさん
      いつもありがとうございます。
      大人の事情で本文には入れていません。薄々気がついていますが、まだ完全に決まった訳ではないので・・・
      多分、10月末の申請の時か、近々開催される肝炎対策会議で話題がでると思われますので、その時に加筆したいと思います。

      独り言
      治療費助成の予算がそれほどないんだな。
      飲み薬だけになるといままで治療を躊躇していた方も沢山治療をするようになるし、
      テラビックの比じゃないぐらい治療をする人が出てくる。
      テラビックの治療費助成も予算超過気味なんですよね。

      むーん、エライコッチャ。

  5. yukizumi より:

    ばんばんさん、いつもブログ拝見しております。おもいきってソブリアードにトライしようと思っております。ありがとうございます。

    • ばんばん より:

      yukizumiさん
      おお、テラビックのときは、思いっきり引き気味でしたけど、今回のソブリアードはいいと思いますよ。
      本来は待つことなく、今ある最新の治療をできるときに行うのが最善だと思っています。

      飲み薬だけ治療とは異なって、インターフェロンを組み合わせますので、治癒後の肝がんの発生抑制にもつながると思います。

  6. yukizumi より:

    http://www.sovriad.jp/ こんな感じですね。読み込まなければ・・・うわさでは11月にスタートだとか・・・

    • ばんばん より:

      yukizumiさん
      ありがとうございます。添付文書が公開されてだけでもありがたい。
      これから読まねば

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