あかるい肝炎生活

飲み薬でC型肝炎が治療できる日を待つおぢさんの日記

*

BMS(ブリストルマイヤーズ)の経口2剤(スンベプラ、ダクルインザ)が承認されました

   

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あっ、書こう書こうと思っていたらもう7月も半ば(汗
すでに遅いきがしますが、末席からブログに書いて置きます。

新しいお薬の名前はスンベプラ”と”ダクルインザ

BMS(ブリストルマイヤーズ)社からニュースリリースがありました。

ブリストル・マイヤーズ | ニュースリリース
日本初のインターフェロン及びリバビリンを必要としない経口薬のみによるC型慢性肝炎の治療「ダクルインザ®錠60mg」(一般名:ダクラタスビル塩酸塩)と「スンベプラ®カプセル100mg」(一般名:アスナプレビル)世界に先駆けて日本で製造販売承認を取得

やっとお薬の名前が決まりましたね。

開発コードからの変移を表に表すとこんな感じ。

開発コード 一般名称 商品名
BMS-650032 アスナプレビル(Asunaprevir) スンベプラ(R)
BMS-790052 ダクラタスビル(Daclatasvir) ダクルインザ(R)

 
”スンベプラ”と”ダクルインザ”
 
むーん、難しい(苦笑)
 
どうやって、お薬の名前を決めるのははぜんぜん分りません(汗
かなり云い難いのは確かで、以前患者会でお薬の名前をもっと高齢者に覚えやすくなんて話を聞いたことがありますが・・・
 
日本初のリバビリンとインターフェロンを必要としない経口薬です。
はじめて、主治医の口から聞いたとき、飲み薬を2つ飲むだけだったので、”ノミノミ”なんて表現をしていましたね。
 
今回発売されたお薬の大きな特徴は、ウイルスの増殖の直接作用する所です。
いままでは、人工的に合成したインターフェロンを体に入れることによって、体の免疫を刺激して体の免疫にC型肝炎ウイルスを攻撃させて治療を行なってきました。このため肝臓だけでな体全体に働いて大きな負担になっていました。

アスナプレビルの作用機序
出典:アスナプレビルの作用機序

”スンベプラ”と”ダクルインザ”は、基本肝炎ウイルスの増殖段階で、NS3AとNS5Aという部分に張り付いて、ウイルスの合成過程でウイルスの増殖を阻害して、ウイルスを減少させます。
このためほとんど体に負担がかから無いため、副作用がほとんどありません。(全く無いわけではありませんが・・・)
 
お薬がどんな形で作用するかは、以下の肝炎.jpの際で見ることができます。

ダクルインザ/スンベプラ製品情報|肝炎.jp
 

気になる使用条件は?

 残念ながら全ての患者さんで使えるお薬ではありません。

  1. インターフェロンを含む治療に不適格の未治療あるいは不耐容の患者
  2. またはインターフェロンを含む治療法が無効であった患者

 
と云うことになっています。通常の初回治療の患者さん、前回残念にも再燃してしまった患者さんには使うことが<今のところ>出来ません。
近い将来に、初回治療、前回再燃の方にも安心して使える飲み薬が出てくる(たぶん来年ぐらいかな?)と思います。
  

気になる治癒率(SVR24達成)は?

国内の第3相治験の結果は以下の通りです。

治癒率(SVR24)の割合

  • インターフェロンを含む治療に不適格の未治療あるいは不耐容の患者 87.4%(118/135例)
  • 前治療無効例 80.5%(70/87例)
  • 合計 84.7%(188/222例)

 
 一件すると今の最新治療のソブリアード(シメプレビル)の治療よりも数値が悪いように見えますが、前回無効例を含んでこの数字ですからもの凄い数字だと思います。
 また、いまのインターフェロン+ソブリアードの治療では、比較的元気な方(インターフェロン治療の副作用に耐えられる方)を中心に治療をおこなっていますから、条件的にはかなり優遇されていると想定されます。今まで治らない、治療できないと思われていた方で治療を行なった場合でも約85%の方が治りますので、C型肝炎の治療薬としては画期的なことだと思います。

治験結果では、代償性肝硬変の有無でSVR24の数字の差があります。

  • 代償性肝硬変なし 84.0%(168/200例)
  • 代償性肝硬変あり 90.9%(20/22例)

 
 一見すると代償性肝硬変があった方が治りやすいように見えますが、症例の数値が10倍もことなります。耐性の有無などの条件を比率で完全に合わせることができませんから、この数字はあまり気にしない方がいいと思います。新しい第2世代の飲み薬では代償性肝硬変の有無の差はないという結果も出ていますので、私見ではありますが、代償性肝硬変の有無による治癒率は変わりないと考えていいと思います。

 このお薬の療結は、年齢、性別、もちろんIL28B(インターフェロンの感受性)、肝臓の硬さ等による違いはありません。インターフェロンを使ったりすると大きな差が性別や年齢によって差がでましたが、このお薬ではありません。さすが飲み薬ですね。
 
 

これも気になる副作用は?

第3治験で現われた主な副作用は以下の通りです。

  • ALT(GPT)の増加 17.6%(45例)
  • AST(GOT)の増加 14.1%(36例)
  • 頭痛 12.9%(33例)
  • 発熱 11.8%(30例)

 
この中で問題になるのが有害事例の大きな副作用ですが

・肝障害:ALT(GPT)の増加 8.2%、AST(GOT)の増加 5.9%(基準値上限の5倍超)
・血中ビリルビンの増加 0.8%(基準値の2.5倍超)

有害事象により投与を中止した11例のうち、10例が肝機能検査値異常(ALT増加、AST増加及び/又は総ビリルビン増加)による中止でした。
肝機能検査値異常で投与中止した10例は、投与中止後2.5週間(中央値)で全例が改善しました。また、この10例のうち8例がSVR24を達成しています。
出典:ダクルインザ/スンベプラ/臨床成績(試験概要、安全性)|肝炎.jp

この治験結果を見ると有害事象が出たから治らない訳ではないと分ります。しかし、肝臓細胞が壊れたことを示す数値のALT、ASTの上昇がおのおの17.6%と14.1%とかなりの頻度で現われます。十分に注意する必要がある副作用だと思います。
 

薬剤耐性による治癒率の違い

 このお薬ちょっと気をつけなければならない所があります。全体の数字をみると約85%の治癒率ですが、特定の条件があると治癒率が一気に下がります。

Y93Hの薬剤耐性の有無による違い

C型肝炎ウイルスの薬剤耐性の問題です。憎くき薬剤耐性。
このY93Hという部分に薬剤耐性があると43.3%の人しか治りません。またその後、他の部分にも薬剤耐性ができてしまいますので、次の治療を行なう為の制約(次のお薬が効かなくなる)が大きくなります。一説によると日本人の約10~15%もの人がY93Hに薬剤耐性を最初から持っているというデータもあるそうです。

 患者会などで話を聞くと、この”スンベプラ”と”ダクルインザ”で治療を行なう際には、全症例、治療前にY93Hの薬剤耐性の有無の検査を行なうかもしれないという話も聞きます。
 もしも、このお薬で治療を行ないたいと思う方は、このY93Hの薬剤耐性の有無を知ってから治療を行なうかどうかを決めるのがいいと思います。
 

まとめと雑感

長くなりましたが最後にまとめておきます。

  • 全体の治癒率84.7%
  • 治療対象は持病などでインターフェロンを用いた治療が出来ない方、または前回治療で無効例(2log以上ウイルス量が下がらない)方
  • 副作用は肝障害のALT、ASTなどがあり注意が必要
  • 治療の決定には、Y93HのC型肝炎ウイルスの薬剤耐性に有無の検査を行う

 
 個人的には、ちょっとここまで来る道のりが長かったかなと思います。
かなり早い段階で治験が終わっていたのにもかかわらず、いろいろと追加資料を求められたとかなんて聞いたり。
 患者にとっては、早く早くと思っていましたが、やっとここまで来たという感覚があります。

薬価の決定は認可後1~2ヵ月ぐらいになるので、たぶん8月末ぐらいかな。
2014年9月ぐらいから早い病院では”スンベプラ”と”ダクルインザ”による飲み薬による治療が開始になると思います。
 
 

お仲間さんの所にも新しい記事があります。
ぜひ読んで見てください。

BMSのINFフリーの経口剤承認、追記、肝炎対策協議会は、、、 | トマトっとのひとり言
あれ、肝炎会議・・・ orz

7/4 ブリストルマイヤーズの経口2剤が承認されました~♪ – HCV(C型肝炎ウイルス)との闘い♪ – Yahoo!ブログ
相変わらず詳しいなぁ

ダグラタスビルとアスナプレビル(ダクルとスンベ) C型肝炎治療 2014.7.12作成 – 肝臓病と共に生きる人たちを応援します
しろくま先生こと川西医師の詳細な解説付き、絶対読むべし!

 
 
ひとまず

夏だ 甘味だ! ケーキだよ!

20140705130005

日頃、糖質制限食で生活していて、久しぶりにケーキを食べると砂糖がからだに染み渡って涙が出るんだよ(大笑)

 - C型肝炎, 新薬情報 , , , , , , , , , , ,

Comment

  1. miya より:

    ばんばんさん、こんばんは。
    これらのお薬の名前は、
    ◯一般名のダクラタスビル “Daclatasvir”と除去の意味を持つ “cleanse”を組み合わせて「ダクルインザ(Daklinza)」と命名。

    ◯一般名のアスナプレビル“Asunaprevir”とウイルス学的著効(Sustained Virologic Response) の略称である SVR を組み合わせて、「スンベプラ(Sunvepra)」と命名。
    との説明がインタビューフォームに書いてありましたよ。

    蒸し蒸し暑いのでご自愛くださいね。

    • ばんばん より:

      miyaさん
      おお、そんな由来でしたか。
      いつもありがとうございます。

  2. めぐ より:

    うわ~ぃ♪
    miyaさんだぁ~♪♪♪ うきうき♪
    ・・・あ★それだけデス☆ すいません・・・ペコ(m m)

    ばんばん隊長☆普段は糖質制限ちてるのね♪ 痩せてるのに、偉~いっ!!
    私は、お砂糖分だけで生きてまふ=3
    動くと甘い物が欲しくなるんだよねぇ・・・言い訳★

    • ばんばん より:

      めぐさん
      少おじさんになるとし制限しなひと、ぶくぶくと肥えちゃうから(汗

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