あかるい肝炎生活

飲み薬でC型肝炎が治療できる日を待つおぢさんの日記

*

C型慢性肝炎に対するバニプレビルの有効性・安全性等について – 第13回肝炎戦略会議資料より

   

AJ千葉忘年会2014

 バニプレビル(商品名:バニヘップ)の発売が決まりましたね。バニプレビルは、S3/4Aプロテアーゼ阻害薬としては、テラプレビル(商品名テラビック)、シメプレビル(商品名ソブリアード)、2014年9月に発売されたアスナプレビル(商品名スンベプラ)続き4種類目になります。

第13回肝炎治療戦略会議審議会資料(平成26年12月2日(火)) |厚生労働省

毎度おなじみの戦略会議

 第13回の肝炎戦略会議の中で資料(国立病院機構長崎医療センター八橋弘先生)が共有されていたので、ちょっとだけまとめてみます。

バニプレビル国内第Ⅲ相試験著効率(SVR24率)

 まずはいつも通りまとめから

バニプレビル国内第Ⅲ相試験著効率(SVR24率)

 第3世代のプロテアーゼ阻害剤だと思っていたら、シメプレビルと同じ第2世代のプロテアーゼ阻害剤でした。

  • 初回治療例   83.7%
  • 前回治療再燃例 92.0%
  • 前回治療無効例 61.9%

そのため結果は若干の違いがあるものの、現行3在併用療法の治療成績とほとんど変わりがありません。

バニプレビル国内第Ⅲ相試験

 初回治療、再燃例では、12週間バニプレビルを服用、リバビリン+インターフェロンは24週間で、トータルの治療期間は24週間(6ヶ月)になります。前回無効例では、治療成績を上げるために24週間バニプレビルを服用することになります(シメプレビルでは12週間でした)。

 これをIL28B(インターフェロンの感受性)のタイプ別(治りやすいタイプCC、治りにくいタイプCT/TT)で分類すると

バニプレビル国内第Ⅲ相試験IL28B(rs12979860)別

 やはりインターフェロンとの組み合わせで治療する3剤併用療法なので、IL28Bが治りやすいタイプであれば、前回無効例(※1)でも治癒率があがります。だだしここで数字のマジックがあり、このタイプの患者さんで治験を受けた方が5名しかいませんので、実際の治療ではここまでの数字はでないと思います。

※1ここで表記している前回治療は、3在併用療法ではなく、あくまでも2剤(インターフェロン+リバビリン)の治療です。

気になる副作用は?

 比較対象は2剤(リバビリン+インターフェロン)です。

バニプレビル国内第Ⅲ相試験初回治療例対象試験

 有意的な差がでたのは、悪心(吐き気)・嘔吐などですね。
他は2剤との有意的な見られず、ほとんど数値的に変わりません。

嘔吐、悪心及び下痢の有害事象発現率は58.0%(167/288例)
〔嘔吐25.7%(74/288例)、悪心35.1%(101/288例)、下痢26.0%
(75/288例)〕であった。
嘔吐、悪心及び下痢で投与中止に至った症例は2例であった。

と主にこの辺りが2剤と比較して多く副作用がでる部分になります。

まとめ

 バニプレビルは、第2世代のS3/4Aプロテアーゼ阻害薬になります。

 インターフェロンが効きにくいタイプではそれほど治癒率が高くないので、いまいまに治療を行わなければならない人以外は待ちのスタンスでいいと思います。

インターフェロン(IFN)感受性と治療効果

 副作用も2在併用療法と同じくらいということで、インターフェロンが効きやすいタイプの方は、去年認可になったシメプレビルと同じ系列のお薬ということで、主治医とご相談の上治療を決定するのがいいと思います。
(基本、よっぽど差し迫った事情が無い限り待ちのスタンスでいいと思いますが・・・)

 ここで問題というか注意ですけど・・・・

バニプレビルって日本でしか発売されない(予定)です。

 まあ、世界的に見ると第2世代(※2)のDAAs(Direct Acting Antivirals:直接作用型抗ウイルス薬)の飲み薬による治療(ソフォスビル/レディパスビル)がもうすでに認可になっていますので、それよりも治療成績が落ちるものなんて発売しても・・・なんて事情があるののでしょうね。

日本だけで発売って・・・その辺は大人の事情ってのがあるのでこれ以上は・・・・・(割愛します)

なんかものすごく歯切れが悪くて申し訳ありません。察してください m(_ _)m

※2 欧米などで見ると、ソフォスビル/レディパスビルが初めて認可された飲み薬なので、欧米では第2世代のDAAsとは云いません。いまの所日本だけでダクラタスビル/アスナプレビルが認可されていますので、日本ではソフォスビル/レディパスビルが第2世代という表現になります。
 
 

もうひとつ興味深い資料が第13回肝炎戦略会議の中で議論されています。

C 型慢性肝炎に対するプロテアーゼ阻害剤を含む3剤併用療法の
再治療に関する有効性等について(案)

  • 第1世代の NS3/4A プロテアーゼ阻害剤であるテラプレビル、第2世代のシメプレビル及びバニプレビルともに、他のプロテアーゼ阻害剤を含む3剤併用療法の既治療例に対する治療成績は明らかになっておらず、再治療を積極的に推奨できる臨床的なデータは現時点で得られていない。
  • 3剤併用療法が不成功となった症例では、プロテアーゼ阻害剤の薬剤感受性を低下させるHCV NS3/4A 領域のアミノ酸変異(耐性変異)が高頻度に発現していることが確認されている。変異株ウイルスは治療後時間経過とともに減少し、検出されなくなるとの報告もあるが、これらの臨床的意義は明らかとなっていない。

 

これをかなり端折っていますがまとめると、

  • テラプレビルやシメプレビルで治らなかった場合患者さんでバニプレビルによる治療は治るかどうかわからない。
  • 3剤併用療法で耐性株が出来た場合、それが消えるかどうか今の所データは無いよ。

となります。

 とここまで書きながら、この資料の最後に肝臓の専門医が認めれば治療をやってもいいよと玉虫的な記述もありますが、この記述みると、やはり今後の治療は、待つとか待てるとかの前に一回で確実に治すということ主眼に選択するのがいいと思います。

 これでだめだった次があるじゃないかという考えで治療するより、これ一回で治すということを主治医と十分に相談して治療方法を決定するのがベストだと思いますね。
 

 詳しくは、2014年12月2日 第13回肝炎治療戦略会議 議事録も参照してください。
 
 

ひとまず。

週末は、房総の先っぽの千倉まで自転車で、いろいろ高い所へ登ったり

AJ千葉忘年会2014

今日は、遅れてきた筋肉痛でロボット状態 orz

 - C型肝炎, 新薬情報 ,

Comment

  1. マロ より:

    ばんばんさん おはようございます。

    新薬情報ありがとうございます。
    いつも、参考にさせていただいています。

    私もそうですが、特に、未治療の患者は、かかりつけ医の意見に相当左右されますので、ここはとても有難い情報サイトです。m(__)m

    • ばんばん より:

      マロさん

      ありがとうございます。
      ここも一意見ということで。なかなか主治医に勧められると難しいのですけどね。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  関連記事

平成24年B型C型慢性肝炎・肝硬変治療のガイドラインが発表されたのでちょっと紹介してみるよ(その3、再治療編)

20110104 Denpark 1 (Waterdrop) / BONGURI …

講演会情報:国府台病院 第15回 肝臓病教室

ちょっと気になる講演会情報があったので紹介しておきます。 GS社(ソフォスブビル …

速報:薬食審・第二部会 C型肝炎治療薬ソブリアードなど新薬2成分審議 承認了承

think C シンポジウム / Sekikos やっと出ましたね。 TMC43 …

ブリストル・マイヤーズ社、経口薬 ダクルインザ錠60mg(ダクラタスビル)、スンベラカプセル100mg(アスナプレビル)薬価決定!

水平線まで走れ・・てな写真ですが・・・(笑)    待に待った、ブリストル・マイ …

ばたばた週末。国府台病院へ参る

Woke Up, Ate, Made Some Noise, Chased a …

C型肝炎治療薬を併用、悪性前立腺がんに効果

ちょっと関係ありそうな情報があったので紹介します。 約1300の薬の候補物質によ …

no image
薬害C型肝炎訴訟の道のり

薬害C型肝炎訴訟について、見てみましょう。 血液製剤フィブリノゲンによって、C型 …

no image
血小板を増やす薬2:eltrombopag by 早坂先生

ウルソで休憩しなながら、C型肝炎の肝庇護治療しているバンバンです。 いつも情報を …

テラプレビル(テラビック)が製造販売承認されたので、治験の結果をまとめてみる 副作用編

Broken Key Lever / tmoenk 秋でんな~、食べ物がうまくな …

C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン、リバビリン及びシメプレビル3剤併用療法の医療費助成が開始されました

寒い寒い寒い。 基本、北の人間なのですが、この頃ほんと寒さが身に応える。 お布団 …